材料・界面部会のホームページへ

材料・界面部会ロードマップ

1.目的
化学工学が関与する材料・界面関連分野の学会代表として、当該研究分野に関する知識の交換、情報の提供などを行う場となることにより、当該研究分野のさらなる進歩普及を図り、もって国内外の学術の発展と産業の発展に寄与することを目的とする。

2.目的達成のための基本方針
 前項の目的達成に向け、下記の基本方針に則り、部会活動を推進してゆく。
1)材料・界面分野における学術及び技術の向上に貢献する
2)材料・界面分野における化学工学の深化と体系化を目指す
3)製造分野における生産活動の支援を行う
4)産学連携事業を推進する
5)他部会、他学会との交流を促進する
6)分科会の活動を支援する
7)国際交流に貢献する

3.背景
人類の歴史は、「材料の創製と利用」の歴史であったと言っても過言ではない。特に、20世紀の後半は科学の発展と共に、飛躍的に多くの材料、特に化学材料が生み出され、化学工学もこれらの材料の製造プロセス開発に大きく貢献してきた。ここでの化学工学の役割は、主にスケールメリットを利用したバルク材料の大量生産で、これらの物質は確実に人類を豊かにしてきたが、一方で環境汚染の問題も創出した。今後、持続可能で、かつ豊かな社会の実現のためには、生活、環境、エネルギー、医療、ITなど、目的に特化した高機能材料の創製が重要となり、「物質の機能を最大限に生かし、かつ環境負荷の小さいプロセス開発」が必要不可欠となる。高機能性材料の創製には、新規な分子構造による従来型の「合成による方法」と、「自己組織化能のような分子の特異性」、「物質の表面ミクロ特性」、「非平衡場」などの合成プロセスへの導入による「構造制御材料」の創出が考えられる。前者の創製法では既に何百万種とも言われる化学物質が合成されており、今後、飛躍的発展を期待するのは難しく、後者の材料創製法に期待が寄せられている。これはプロセッシングによる材料創製であり、化学工学が長年培ってきた種々の手法が十二分に生かせる可能性が高い材料創製分野と考えられ、本部会に「次世代高機能性材料へのブレークスルー」が期待されていると認識している。
構造制御材料の特徴は、界面積が大きく、界面特性が重要な役割を担っている点にあり、「材料」および「界面」の両学問体系の「深化」と両者の「融合」が必要である。そこで、本部会では下記のような各分野について分科会形式による運営によりその専門性を高めると共に、部会全体として、支部、他部会、さらには日本化学会との共同企画、日韓や日中などの国際シンポのほか、AIChE、ACS、MRSなどとの連携、分科会横断的な共通基盤技術シンポジウム(Nucleation Symposium Series)、講演会等の企画などを重ねながら、会員各位ならびに分科会間の情報交換を密にし、「ナノオーダで制御されたプロセッシングによる高機能構造制御材料の創製」の横断的な体系化を目指すものである。
 1)ゲル分野
 2)晶析分野
 3)機能性微粒子分野
 4)塗布プロセス分野
 5)界面微細構造分野
 6)高分子材料分野

4.目標達成のためのアクションプラン
 7つの基本方針に沿って、それぞれ以下に示す具体的アクションプランを3〜5年間で実行に移してゆく。

4−1)材料・界面分野における学術及び技術の向上への貢献
 ○秋季大会における部会シンポジウムの充実
  ・全体シンポに加えて、分科会個別領域にとどまらない、時流を得たサブシンポテーマの企画
  ・時間配分の工夫による討論の活発化(例:発表12分+質疑8分)
  ・ポスターセッションによる、深く、かつ、気さくな討論の場の提供
 ○他部会、他学会関連部会との合同企画シンポジウムの開催
  (詳細は4−5)項参照)
 ○産学連携シンポジウムの開催
  (詳細は4−4)項参照)
 ○産業・社会に対する情報発信・広報活動
  ・会員メールアドレスの随時把握と情報のメール配信およびホームページによる広報
・ワークショップ、シンポジウムの開催
 ○産業や社会に対する学術団体の専門部会としての活動
  ・基盤技術発展に貢献する新しい研究・技術領域のコンセプト提案
  ・「学」主体の、先導的な研究課題の明確化と、それに基づくプロジェクト提案:科研費特定領域、振興調整費など
  ・先導的な技術開発課題の明確化と産学連携プロジェクト提案:NEDOプロジェクト、コンソーシアム提案など(詳細は4)項参照)

4−2)材料・界面分野における化学工学の深化と体系化
 ○材料・界面化学工学の深化
  ・材料・界面分野における「共通基盤技術」の明確化と定期的シンポジウム開催
  ・各専門分科会領域におけるシンポジウムシリーズ等の刊行支援
 ○材料・界面化学工学の新体系化
  ・プロセスによる構造制御、機能制御を目指した新たな 材料・界面化学工学の体系化
・体系化に基づく、技術書、教科書、啓蒙書等の出版

4−3)製造分野における生産活動支援
 ○生産活動情報の共有
  生産活動における課題・ニーズと、学界の技術・シーズを共有する場を設け、実効的な生産活動支援手段を探る。
 ○技術サポート
  インターネット上にクローズドな「技術相談コーナー」を開設し、産側からの相談に対する技術アドバイスを提供するオンライン技術支援機能を創設する。

4−4)産学連携事業を推進する
○ 産学連携の可能性の拡大
年会、秋季大会等において、産学連携にフォーカスしたシンポジウムを組織して、産学連携の可能性を拡げる。これらの活動の中から、新たなコンセプトに基づく産学連携のあり方を探る。
○産学連携プロジェクトの提案と運営
 材料・界面分野における先導的な研究課題、技術開発課題の絞り込みと、これに基づく競争的基金への提案を行う。採択された場合には運営の中核を担う。

4−5)他部会、他学会、支部との連携・交流を促進する
○ 日本化学会、コロイドおよび界面化学部会との連携
材料・界面部会と共通あるいは類縁の課題を扱っている日本化学会コロイドおよび界面化学部会との交流、連携を行う。まず、化学会部会の主催するコロイド・界面化学討論会において、化工部会関係者が企画するシンポジウムを提案し、交流を行う。また、材料・界面部会の主催するシンポジウム等において、化学会部会の研究者による講演等を積極的に行う。さらに、コロキウムの共催、共同研究の推進の可能性について探る。
○ 他部会との連携
材料・界面部会と共通性の高い課題を扱っている他の部会との交流、連携を行う。活発かつ機動的な連携を目指し、まずは分科会レベルでの連携に取り組む。これまでに、高分子機能化分科会を通じてエネルギー部会との秋季大会での合同シンポ(03年9月)を行った事例、および、当部会機能性微粒子分科会が粒子・流体部会プロセス部会粉体プロセス分科会と合同セミナー(03年11月)を行った事例がある。
○ 支部との連携
各支部に所属する部会幹事の企画により、支部との連携企画開催に取り組む。これまでに、九州支部と合同企画(04年11月)を行った事例がある。

4−6)分科会の活動を支援する
 ・分科会の国際交流活動への支援
 ・分科会所属の部会特別会員について、全国大会での発表の便宜の検討
 ・分科会活動の部会員への積極広報
 ・部会ホームページの早期立ち上げと分科会ページの設置orリンク設定

4−7)国際交流に貢献する
 世界的波及効果の高い研究と技術を世界に発信し、これまでに国際的に確固たる地位を確立してきた。従来の欧米中心にであった視点を、今後はアジアにも向け、新たな潮流を生み出す独創的・革新的な研究成果を発信する。このため、以下のようなシンポジウムを開催あるいは協賛し、技術だけでなく人的な交流を図ることで双方向国際交流に貢献する
○ 日韓材料・界面シンポジウムの開催支援
韓国化学工学会との合同シンポジウムを継承し、新たに本部会が窓口となり韓国化学工学会材料部会および高分子部会との協賛で2003年、2004年に開催した。
○ 日中化学工学シンポジウムにおける材料・界面セッションの開催支援
  2002年に開催された中国化学工学会とのシンポジウムにて、両国の材料・界面関係の研究者が交流した。
このほかに、部会傘下の分科会による国際シンポジウムの開催支援や台湾化学工学会の材料・界面分野とのジョイントシンポジウムを開催支援する。

5.化学工学会における位置づけ(役割)
 当部会は、Vision2011の提言に基づいて創設された13部会の内、展開技術分野の一分野として位置付けられており、学会が行う学会、講演会、出版、企画、教育、国際交流等の諸企画、諸事業のうち、材料界面に関係する事業には全面的に協力し、積極的な提言を行ってゆく。また、他の12部会、7支部とも緊密な連携を保ち、界面材料関連の問題に関しては勿論のこと、境界領域の問題に関しても共催事業、協賛事業を積極的に推進する。

6.運営体制(平成16年度現在)
  部会長  1名
  副部会長 6名(各専門分野より)
  幹事  26名(役割・分担は幹事会で適宜に機動的に組み替えている)
  監事   2名
  事務局  1名
以上

材料・界面部会のホームページへ
(C)Copyright Division of Materials & Interfaces  2006-2009