研究内容

電気二重層キャパシタ電極材料の開発

 電気エネルギーを蓄える装置としては、リチウムイオン電池のような二次電池がよく知られています。
電気二重層キャパシタも電気エネルギーを蓄える装置です。
電気二重層キャパシタは二次電池と比べて、長寿命、急速な充放電、などの利点があります。しかし、二次電池と比較して蓄えられる電気エネルギーが小さいという短所があり、この短所をいかに克服するかが重要な課題となっています。電気二重層キャパシタの電極材料は、活性炭のような表面積の広い炭素材料が利用されています。
本研究室では、新規な高性能電気二重層キャパシタ用炭素電極材料を開発することを目的として研究を行っています。


・竹を原料にした電気二重層キャパシタ電極の作製

 現在、西日本、特に九州地方では、放置された竹林が無秩序に拡大し周囲の環境に悪影響を与える竹害が問題となっています。竹を高付加価値な材料として資源化することで竹害を解決することを狙い、竹から電気二重層キャパシタ用炭素電極材料を作製することを試みています。これまでの研究で、危険な試薬を用いずに竹から比表面積が2000 m2 g-1を超える活性炭の作製に成功しました。



 炭素化前の竹()と炭素化後の竹() 炭素化後の竹のSEM画像 



海水の脱塩
 
 世界的には淡水の水資源の確保が問題となっています。海水淡水化の方法として数種類の方法が実用化されていますが、エネルギーコストが高いです。電気二重層キャパシタの蓄電原理を利用すれば溶液からイオンを集めることができます。この原理を利用して、海水を淡水化する研究を行っています。

CVDダイヤモンドの合成

 メタンなどの気体原料からダイヤモンドを合成し、工業材料への応用を検討しています。

固体酸触媒

 石油化学製品、化成品の原料、バイオエタノールやバイオディーゼルといったバイオフューエル製造に酸触媒として硫酸が利用されます。しかし、硫酸は液相であるため繰り返し使用ができず製品との分離や硫酸塩廃棄物の処理に多大なエネルギーとコストが必要です。繰り返し使用が可能で分離回収が容易な固体酸として、炭素材料から安価で 高性能な固体酸触媒を合成する研究を進めています。