ようこそ、応用化学科(工学4類)へ

 応用化学科(工学4類)は、本学開校3年目の1911年に4番目の学科として開設されました。その後、化学工学科、工業化学科、物質工学科を経て、2008年から新生:応用化学科として70名規模の単独学科として運営し現在まで110年以上の歴史を有しています。工学部の化学は、何をやっているのか分かりにくいと耳にしますが、理学部の化学がより理論的なものを重視するのに対し、工学部の化学(応用化学)は、工業化(実用化)を目指して、これまでにない新しい機能性物質やデバイスを原子・分子レベルから創造する分野で、実用化するための資源のコストや安全性や、合成・調製の行程も化学工学的な観点からも視野に入れて教育・研究を行います。

そのため「応用化学」が関連する分野は、有機・高分子、バイオ関連、無機・セラミックス、電気化学、化学工学と幅広く、活躍する場は、別途就職先に記載のとおり、ほぼすべての産業分野と言っても過言はなく、総合化学系、鉄鋼系、非鉄金属系、バイオ創薬系、自動車系、航空・宇宙関連、エネルギー関連(電力、ガス、畜電池、燃料電池)、電子材料(半導体、固体電解質)、触媒系(光触媒、電極触媒)、化学工学プラントなど多岐にまたがっています。

本学科は、1学年(工学4類)約70名の学科で、1年時から一貫して教育を行えるため、無機化学、有機化学、物理化学、化学工学という化学の主要分野の基礎を1、2年で、さらに応用分野を3年以上にバランス良く配置して教育を行っています。4年生からは、卒業論文研究のために、各研究室に配属され実際に実験、解析、考察を行って、卒業論文としてまとめます。グローバル・エンジニアコース学生は、3年生の後期から研究室に配属して卒業論文研究を開始し、博士前期課程までの6年一貫教育研究を行います。4年生の約6割の学生は博士前期課程に進学し、さらに研究をより深く進展させて修士論文としてまとめます。博士前期課程の学生のほぼ全員が海外での学会、セミナー等に参加しており、将来のグローバル・リーダーの養成にも力を入れています。

応用化学科の卒業生は、多くの産業界で活躍しており、大変ありがたいことに産業界からも高い評価を受けています。また、日本でも最大規模の同窓会組織の「明専会」にも応用化学科OBOGは大きく関わっており、後輩への進路助言等は本学科の強みになっています。

「応用化学」は、良く見えないと言われますが、実は、工学の全ての基本に関わるため、全領域のエンジニアを養成しています。エンジニアになりたいが、何が自分に向いているのか分からない、あるいは大学に入ってからじっくり考えたいという学生さんにお勧めします。

( 令和5/6年度 応用化学科 学科長:教授 山村 方人 )